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「世界の記憶」は不公正? 却下される日本側申請→「南京」◎「通州・チベット」×

「南京登録と二重基準だ」

 審査結果は新規登録リストのみが公表され、「チベットと通州」がリストに含まれなかったことで不登録と判明した。文書管理の専門家で構成される審査機関・国際諮問委員会(IAC)の会合が10月24〜27日にパリで開かれたが、審査が非公開のため、どのように扱われたかは不明だ。

 同基金は「RSCの暫定意見は事実上の却下通知。言い分は審査機関のIACに取り次ぐとのことだったが、何の連絡もないまま公表に至った」と一連の手続きを批判した上で、「なぜ南京は認められたのか。二重基準の説明を求める」と疑問を呈している。

 「世界の記憶」をめぐっては、2年前の前回審査で、犠牲者数や存否をめぐって議論のある「南京大虐殺文書」が中国側の主張のまま一方的に登録された。これに反発した日本政府が分担金拠出を留保するなどして、ユネスコに制度改革を求めてきた経緯がある。

 今回は、「慰安婦」をめぐり意見の対立する2つの申請案件が出され、ユネスコ側が申請者間の対話を促すという一定の改善がなされた。ユネスコ執行委員会(58カ国で構成)が10月18日、「政治的緊張の回避」を事務局長らに求めた決議を採択しており、審査に反映されたとみられる。登録制度の改善方針も決定されたが、新制度の正式適用は次回の2019年度からで、審査のプロセスは今回も不透明なままだった。