【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は28日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射について「(米国として)事態に対処していく」と述べた。また、今回の発射によって北朝鮮に対する政権の取り組みは「一切変わらない」と述べ、北朝鮮の核放棄に向けて引き続き強力な圧力をかけていく立場を強調した。
マティス国防長官は「北朝鮮の弾道ミサイルは世界のあらゆる場所を脅かす恐れがある」と指摘し、米本土に到達可能な北朝鮮のICBM開発の進展ぶりへの危機感を示した。
ティラーソン国務長官は、北朝鮮のICBM発射は「近隣諸国や地域、全世界の安定を脅かす」として「強く非難する」との声明を発表した。
ティラーソン氏はまた、国際社会に対し、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の履行に加え、北朝鮮向けの物資の海上輸送の阻止を含む海洋安全保障の強化に向けた新たな措置を講じるべきだと訴えた。
同氏は、米国とカナダが朝鮮半島での国連軍の参加国や日韓など関係国を集めて会合を開き、今後の対応策を協議することを明らかにした。カナダ政府高官がロイター通信に語ったところでは、会合は十数カ国の外相級による協議となり、12月下旬のクリスマス明けにカナダで開かれる。
一方、米国防総省のマニング報道官は「(北朝鮮による)一連の脅威に対する、日韓を含む同盟諸国の防衛に向けた米国の関与は揺るぎない」とした上で「米国はいかなる攻撃や挑発行為からも自国や防衛国を守る用意ができている」と強調した。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、発射されたミサイルは北米大陸や米領土、同盟諸国に対して脅威を及ぼさなかったとしている。