電波周波数帯の利用権を競争入札にかける電波オークションの導入をめぐり、規制改革推進会議は「検討継続」と答申した。制度導入に反対してきた携帯電話大手3社は胸をなで下ろした形だ。答申には新しい周波数割り当てでオークションに近い価格競争の要素を導入することも盛り込まれたが、平成32年開始予定の第5世代(5G)移動通信方式の最初の割り当てには間に合わず、現状維持が続く。ただ、会議ではオークション導入を求める声も根強く、議論の行方は予断を許さない。
「電波オークション導入については反対します」
10月下旬の同会議の部会。ヒアリングのために呼ばれた3社の電波担当者はこう口をそろえた。
現行の割り当て制度は、総務省が事業者の優劣を審査する「比較審査方式」。災害時対応なども審査項目だが、総務省の裁量が大きく、手続きの不透明性が指摘されてきた。
しかし、3社はオークションで高値の落札が続出すれば、利用料が高騰し災害対策への対応や新技術導入が遅れ、利用者負担も増加する-と主張。ソフトバンクの担当者は「オークションが始まれば山間部など不採算エリアの投資ができるのか」と語り、現行方式への支持を明確にしていた。