原発最前線

凍結なのに効果検証できない 国費350億円が宙に? 費用対効果、現段階で不明

【原発最前線】凍結なのに効果検証できない 国費350億円が宙に? 費用対効果、現段階で不明
【原発最前線】凍結なのに効果検証できない 国費350億円が宙に? 費用対効果、現段階で不明
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 東京電力福島第1原発で、汚染水の原因となる地下水の原子炉建屋流入を防ぐために設けられた「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」が、地中の温度が0度を下回ったにもかかわらず、効果を検証できない状態が続いている。遮水壁の内側に地下水をくみ上げる井戸(サブドレン)があり、さらに雨水も地中にしみこんで流入しているため、凍土壁単独の効果を示すのが難しいのが理由だ。示せる時期について「年内、年度内についても言及できる段階ではない」と東電。原子力規制委員会にはその効果について懐疑的な声もあり、国費約350億円の費用対効果について説明責任が問われている。(社会部編集委員 鵜野光博)

「検証時期」明言避ける東電

 建屋内には山側から大量の地下水が流入し、溶融核燃料(デブリ)などと接触して汚染水となっている。東電は対策の一つとして、約1500本の凍結管を約30メートルの深さに打ち込み、1〜4号機を約1・5キロにわたって取り囲む凍土壁の凍結を昨年3月から開始。原子力規制委員会は地下水が減りすぎて建屋内の汚染水より水位が低くなり、汚染水が外に漏れだすことを警戒し、西側の1カ所(約7メートル)を未凍結で残していたが、8月下旬からこの区間も許可を得て凍結作業が進められている。

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