政府は30日に「人生100年時代構想会議」(議長=安倍晋三首相)を開き、社会人が最新技術などを再学習する「リカレント教育(学び直し)」の制度整備に本格着手する方針を固めた。会議では民間議員が、大学と企業が連携しリカレント教育を進める重要性を提言。政府はこうした意見を踏まえ、年明け以降に策定する最終報告へ政策の本格的な盛り込みを目指す。
リカレント教育は、安倍政権の看板政策「人づくり革命」で教育無償化と並ぶ柱の一つ。人口が減る中、再教育で働き手の生産性を高めることが日本経済の重要課題となっている。
民間議員は、企業の職業訓練だけでは限界があることを踏まえ、企業と大学が協力し、組織的にリカレント教育を進める重要性を訴える。産業界が求める人材や教育のあり方を反映し、大学の授業を実践的で技術革新に対応できる内容にすることを求める。
大学改革も議論し、地方の私立大の自治体による「公立化」が進む現状について、経営困難な私大を安易に救済する問題点などを指摘する。
会議には、超長寿時代の生き方を提唱した「LIFE SHIFT」著者で、英ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授も出席し意見を述べる。