自民党税制調査会は27日、小委員会を開き、政府が12月上旬にまとめる政策パッケージの目玉政策の一つとして盛り込む「生産性革命」関連税制の本格的な議論に着手した。高齢化が進む中小企業の経営者の代替わりを促す税制を拡充したり、賃上げや設備投資に取り組む企業の減税幅を大きくしたりして、企業の活力を高め、日本経済の活性化につなげる狙い。
国内企業数の約99%を占める中小企業向けの税優遇措置は一段と手厚くする。
経営者の高齢化が進む中小・零細企業の事業承継を支援するため、相続税などの納税猶予を受けられる「事業承継税制」を抜本的に見直し、平成30年度から10年間を特例として税制上の優遇措置を拡充。事業を引き継いだ後の5年間は平均8割の雇用を維持する条件の撤廃などを検討する。
中小企業の設備投資を促すため、生産性の高い機器を購入した企業の固定資産税を3年間ゼロにする方向で調整。M&A(企業の合併・買収)に取り組む中小企業の税負担を軽減する制度の創設も検討する。
生産性革命に関連した税制では、首相が要請している3%程度の賃上げの実現に向け、賃上げ総額の一定割合を法人税から差し引ける「所得拡大促進税制」の29年度末の期限を延長した上で、減税幅を高め、実質的な税負担率を下げる。