理研が語る

日本人ノーベル賞受賞並みに盛り上がった「高温超伝導」発見 あれから31年、フィーバーの再来を夢見て 

 とはいえ、最近では「京(けい)」のようなスーパーコンピューターのおかげで、理解が徐々に進んできているように感じる。また、共同研究をしているイタリア人教授によると、「そろそろ高温超伝導の問題に決着がついていい頃だし、そうなったら室温超伝導も夢ではない」そうだ。高温超伝導研究の第1世代である彼にそう言われると、信じたくもなる。

 高温超伝導酸化物が発見されてから、今年で31年にもなる。しかし、高温ではない、最初の超伝導現象が1911年に発見されてから、そのメカニズムが明らかにされるまで40年以上もかかっている。そう考えると、高温超伝導の謎もそう遠くない将来には明らかになり、新たなフィーバーが起こるかもしれない(その際にはポスト「京」コンピューターが多大な貢献をしているかもしれない)。そのような夢を持ち、研究を続けていきたいと思っている。

 大塚雄一(おおつか・ゆういち) 理研AICS研究員。博士(工学)。平成14年、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。分子科学研究所、東京大学物性研究所、日本原子力研究開発機構、兵庫県立大学、理研基幹研究所での研究員を経て、23年から現職。スパコンを用いた数値シミュレーションによる物性物理学の研究を行っている。