河野太郎外相インタビュー

在韓邦人退避、自衛隊への韓国世論が障害

 自衛隊関係者は韓国でのNEOについて「日本単独では無理だ。多国籍軍や国連軍の枠組みでやるしかない」と語る。2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃の際は、フィリピン政府が在韓比人の日本への退避を要請しており、多くの外国人が避難する事態も想定される。

 韓国国内の集合場所から空港・港湾への輸送支援では陸上自衛隊が邦人を陸上移送する案もあるが、さらにハードルが高い。昨年3月に施行された安全保障関連法で任務遂行型の武器使用が認められたものの、受け入れ国の同意が必要である点に変わりはない。防衛省関係者は「韓国の反日世論を考えれば地上部隊の投入は難しい」と語る。

 日韓協議を妨げている要因はほかにもある。

 ある外務省幹部は韓国政府関係者との協議で在韓邦人退避に話題が及んだ際、「福島第1原発事故のときに各国大使館が大阪や国外に退避して、日本人はどう思ったか」と迫られた。

 別の交渉担当者は「韓国政府は邦人退避の協議が表に出れば『韓国は危険だ』というイメージが広がり、韓国の市場の株価が下がることを恐れている。だから協議を公表してほしくないと求められた」と明かす。(杉本康士、千葉倫之)

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