話の肖像画

日系2世の政治学者ダニエル・オキモト(5) 米国にも日本にも忠誠誓う

ダニエル・オキモト夫妻(飯田英男撮影)
ダニエル・オキモト夫妻(飯田英男撮影)

 〈ダニエル・オキモト氏は、自ら共同議長を務める民間非営利団体「シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム(SVJP)」を通じて、デジタル革命の中心地、シリコンバレーと日本を結び、新しい産業の育成や活性化に取り組む〉

 設立2年目のSVJPは、日米の有力企業の協力で急速に成長しています。日米双方に事務所ができ、交通・運輸、金融、通信、インフラ、サービスなどの各分野の日米専門家100人以上が、新たなイノベーションを起こそうと、ボランティアでさまざまな活動を展開しています。

 人の輪をつなげるため、私と妻の道子は多くの客人をわが家に招いています。昼食や夕食、時には朝食にも招待します。コーヒーだけのときもあります。数えたら、1年に550人も招いていました。今年はもっと増えるでしょう。

 でも、大したことはしません。ギョーザや焼きそば、トンカツ、天ぷらでもてなします。客人には、マイクロソフトの会長やグーグルの副社長、アップルの副社長、トヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEO、日本企業の役員たちもいます。日米両国のリーダーたちがお互いに知り合って話し、共同プロジェクトをつくることが重要なのです。

 そのきっかけを提供しているのが、わが家の「シェ・道子」なのです。みんな、「オキモト飯店」で道子に会いたがって集まってきます。道子は、プロジェクトで実に重要な役割を演じています。私たちはパートナーなのです。

 〈毎日曜日には、夫婦で市場に買い出しに行く。オキモト氏はスイカ選びがうまく、果物の担当。アリゾナ砂漠の収容所で、両親がスイカを育てていたので、甘くジューシーな実の選び方を知っているのだ。市場でスイカ博士と呼ばれているという〉

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