理研が語る

複雑に折り畳まれた「生命の設計図」 ゲノムのブラックボックスの宝庫に魅せられて

 近年、このゲノムの折り畳まれ方を網羅的に解析できる手法(Hi-C法)が開発されたことで、この分野は急速に発展している。今までの配列情報だけでは分からなかった、ゲノム内の新しい構造単位が明らかにされてきているのだ。

 このことから、ゲノム配列は遺伝子を暗号化している単なる設計図ではなく、それ自身も複雑に折り畳まれ、構造化することで、配列以外の情報も獲得しているのではないかと考えられる。

 研究をしていると、周りから「新しい分野」だといわれることがあるが、基本的な概念や研究のヒントは、意外と昔の研究成果に隠れている。解明する手立てがその当時になかったために未知であったことも、新しい技術によって明らかにされることが多い。研究とは温故知新。このことを念頭に置き、これからの研究に邁進(まいしん)していきたい。

 三浦尚(みうら・ひさし) 理研CDB・発生エピジェネティクス研究チーム研究員。横浜市立大学大学院修了後、カナダ・マギル大学を経て平成26年から現職。最近は、自分のゲノム解析をしてみるかどうか真剣に考えている。