北朝鮮危機・私はこう見る

「国際交渉では予測不可能さを示すことが重要」 元CIA長官代理のジャック・デバイン氏

元CIA長官代理のジャック・デバイン氏
元CIA長官代理のジャック・デバイン氏

 私は米中央情報局(CIA)で30年以上にわたって主に米国外での諜報活動に携わり、1980年代後半には旧ソ連のアフガニスタン紛争で秘密作戦の指揮を執った。こうしたCIAでの経験や、自らの戦略研究から言えるのは、国際交渉の場では、ある一定の予測不可能さを示すことが非常に重要ということだ。

 トランプ米大統領は予想不可能な指導者であるため、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の完璧な交渉相手といえる。金氏は人権を全く無視する危険な指導者ではあるが、米国をどこまで挑発できるか把握することにおいて、優れた成果を挙げている。そして挑発をやめるべき境界線がどこかも把握している。私は、金氏は根本的に理性的な指導者であると考えている。

 オバマ前大統領はやや予測可能であったため、金氏は、オバマ氏をどこまで挑発できるかを、的確にかつ容易に把握できた。米朝間の交渉関係では金氏は相対的に有利な立場であった。だが、トランプ氏の反応を予測することは誰にとっても非常に困難だ。金氏がグアム周辺へのミサイル発射を決断した場合、トランプ氏の反応を適切に判断できるかどうかは不確実であるため、彼は脅かされている。代わりに日本上空への発射を選んできた。

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