経済インサイド

ビールシェアに続き売上高でもアサヒに抜かれるキリン 背景にある戦略ミスとは?

 一方、アサヒも買収した欧州事業が好調なことを受け、株価が11月20日に5538円まで上昇し、上場来高値を更新した。買収した当初は市場関係者の間で、「高値つかみでは」といった疑問の声もあったが、今では、ほとんど聞かれない。

 両社が海外M&Aに積極的なのは、若者を中心としたビール離れで国内市場が縮小し、成長の源泉を海外に求めているからだ。

 サントリーも平成26年に「ジムビーム」などのブランドを持つ米蒸留酒最大手の旧ビーム社(現ビームサントリー)を買収。この買収効果で26年12月期の連結売上高で初めてキリンを抜き、業界首位になった。

 国内ビール市場は28年まで12年連続でマイナスで、減少傾向に歯止めはかかっていない。このため、今後も酒類だけでなく、食品や飲料も含めて海外M&Aが増えるのは確実とみられている。ビール会社の売上高順位も、そのたびに変わるといった事態も起こりえそうだ。

(経済本部 大柳聡庸)

 キリンホールディングス 飲料事業会社キリンを中核とするキリングループの持ち株会社で、三菱グループの一員。明治18(1885)年に前身のジャパン・ブルワリー・カンパニー設立。40年に麒麟麦酒(現キリンHD)設立。平成28年12月期の連結売上高は2兆750億円、今年6月末の連結従業員数は2万8569人。