経済インサイド

ビールシェアに続き売上高でもアサヒに抜かれるキリン 背景にある戦略ミスとは?

 「高い授業料になった…」。キリンのある幹部はこう溜息をもらす。

 採算を重視するため赤字が続いていたブラジル子会社を手放すとはいえ、買収額の計3000億円に対し、770億円の売却額は約4分の1に過ぎない。この間、ブラジル事業の企業価値が目減りしたため、27年12月期には1100億円もの減損損失を計上するなど、授業料としてはあまりにも高く付いた。

 キリンのブラジル企業買収は23年夏にさかのぼる。当時は2014年サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会や2016年リオデジャネイロ五輪の開催を控え、ブラジル経済は絶好調。ビール市場も中国、米国に次ぐ3位の規模と有望なマーケットだった。

 そこに、ブラジルでビールシェア2位の現地企業スキンカリオールの創業者が「株式の売却先を探している」との情報が入る。

 有望市場に参入する「またとないチャンス」(幹部)と判断したキリンは、平成23年8月、約2000億円を投じスキンカリオールの株式の50%超を取得した。

 しかし、ここから想定外が相次ぐ。