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(104)甘味 舌だけでなく全身にセンサー

 甘味に対するセンサーは、舌の上だけでなく、消化管や心臓、膀胱(ぼうこう)、脳など体のいろいろな臓器にあることも分かってきました。例えば、胃や小腸にある甘味センサーは、糖質に反応してインスリンや消化管の動きに関係するホルモンの分泌を増やすように働きかけます。

 これらのホルモンは、膵臓(すいぞう)や脂肪細胞などにも作用して脳に信号を送り、食欲やエネルギーの調節を行います。つまり、甘味センサーは舌で甘さを感じさせるだけでなく、体内の栄養状態を把握しエネルギーのバランスを取るのに非常に重要な役割を果たしているといえます。

 「脳が甘い物を食べるように要求する」ことは実際はありません。ただ、脳の中で快楽を感じるときに出る物質が、甘味センサーの甘味への反応を強める作用を持っています。このため、甘い物を食べたときの満足感が忘れがたく、「食べたい」と思うのかもしれません。

 冒頭の男性に「甘い物もたまになら大丈夫ですよ」と伝えたところ、お菓子を食べる日を週に1回と決めて楽しむようにしているとのこと。「たまに食べるからか前よりおいしく感じる」とうれしそうです。甘い物を食べる日はご飯の量を減らすなどの工夫もしているといい、良好な血糖値を保っています。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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