上杉謙信の愛刀、譲渡額釣り上げられ?取得断念 故郷の新潟県上越市

太刀の購入に向け、寄付を呼び掛ける新潟県上越市のちらし。結局、購入は断念した
太刀の購入に向け、寄付を呼び掛ける新潟県上越市のちらし。結局、購入は断念した

 新潟県上越市は20日、同市ゆかりの戦国武将、上杉謙信(1530〜78年)の愛刀とされる国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」の取得を断念し、岡山県に住む所有者との交渉を取りやめる方針を明らかにした。同市文化行政課の担当者は、譲渡額の折り合いがつかなかったとしている。太刀は平成30年7月にリニューアルを予定している市立総合博物館の目玉として展示する方針だったが、見直しを余儀なくされそうだ。

 太刀は、刀剣の収集家だった所有者の祖父が入手したとされ、現在は岡山県立博物館(岡山市)に寄託されている。謙信は現在の上越市の春日山に築いた山城を居城としていたが、市内には上杉家の遺品はほとんど残されていない。

 所有者から「太刀を謙信公の故郷に戻したい」との意向が伝えられたことを受け、同市は取得の方針を決定。専門家の評価額の約3億2千万円を上限に交渉を続け、今年度予算には維持管理費を含めて約3億3千万円を計上していた。

 当初の計画では今年度の早期に仮契約を結び、市議会6月定例会で契約に関する議案を提出した上で本契約に臨む構えだった。しかし、今年度に入ってから交渉は停滞し難航。契約に関する議案は6月定例会に続き、9月定例会でも提出を見送る事態となっていた。市の担当者が所有者と直接会う機会が限られた上、この間に所有者が譲渡希望額を引き上げたとみられる。