組の勢力拡大に利用か
俊平容疑者が光明殿側から流出させた金は、吉川組の組長に昇格するタイミングに合わせて新たな事務所の購入資金に充てられたとみられるほか、一部が山口組総本部(神戸市)に上納された疑いも浮上している。納骨堂ビジネスに絡む資金が、組の勢力維持・拡大に利用された形だ。
吉川組は、総本部を頂点とするピラミッドの2番手に位置する約50の直系団体の1つだ。暴力団関係者によると、山口組が全国に勢力を拡大した3代目組長時代から続く古参組織で、現在も60〜70人の組員が所属しているとされる。平成27年8月に山口組から分裂した神戸山口組側との一連のトラブルでも、その組織力を生かし、多くの組員を動員したともいわれる。
俊平容疑者は光明殿の幸子被告と以前、婚姻関係にあった。今回、光明殿側から3500万円という多額の資金を引き出せたのは、この個人的なつながりが大きいとみられる。暴力団関係者は「山口組直参(直系組長)に昇格するにあたり、資金力を誇示し、存在感を示す狙いがあったのでは」と推測した。