世界ミニナビ

中国資本の旺盛な土地買収は極北にまで…観光ブームに沸くアイスランドで高まる懸念

 2008年のリーマン・ショックで国家破綻の危機にひんしたアイスランドが、観光に沸いている。年間に人口の5倍以上の旅行者が訪れて宿泊施設も追いつかないが、ブームに目をつけた中国資本が土地買収や観光開発に意欲を見せて警戒が高まっている。過去には国土の0・3%という大規模土地買収が安全保障上の懸念などから不許可となった。今回は法律を厳格化する動きも出ている。

観光地にリゾート

 12日、中国のネット通販恒例の大イベント「独身の日」(11日)セールの取引額が、今年は過去最高の1683億元(約2兆8700億円)となった-。メディアはこれをアイスランドの国内総生産(GDP)も超えたと報じたが、引き合いに出されたアイスランドがいま、中国の海外投資のターゲットになっている。

 英スコットランドの北方に位置する島国で、人口約33万人、面積は北海道と四国を合わせたほどだ。

 米ブルームバーグは9月、「アイスランドが中国の投資を再び閉ざす計画」と報じた。外国人の土地取得を厳格化する議論が活発化し、国会で法案上程の動きがあるという。中国企業が首都レイキャビクの東約100キロの有名な間欠泉や氷河を源とする滝などに近い観光エリアに、12平方キロの土地を買収してリゾート施設を建設する構想がある。これと時期を同じくして懸念が高まったという。

会員限定記事会員サービス詳細