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「世界の記憶」は不公正? 却下される日本側申請→「南京」◎「通州・チベット」×

 今回は、「慰安婦」をめぐり意見の対立する2つの申請案件が出され、ユネスコ側が申請者間の対話を促すという一定の改善がなされた。ユネスコ執行委員会(58カ国で構成)が10月18日、「政治的緊張の回避」を事務局長らに求めた決議を採択しており、審査に反映されたとみられる。登録制度の改善方針も決定されたが、新制度の正式適用は次回の2019年度からで、審査のプロセスは今回も不透明なままだった。

9条関連「審査しない」

 却下扱いされた案件は、ほかにもある。

 「明文化されていないルールで門前払いされた」とする代表者コメントを報道機関に出したのは、「憲法9条の発案者を幣原喜重郎元首相とする資料」の共同申請者(事務局・東京)だ。4月の暫定意見で政治的主張に当たるとされ、「審査しない」と通知されたとしている。

 現行憲法は連合国軍総司令部(GHQ)によって草案が作成されたが、戦争放棄と戦力の不保持を規定した9条をめぐっては、発案者を幣原とする説を唱える人もいる。今回の申請案件は、日米など3カ国計169人が「9条の発案者はGHQではなく日本人だったことを示す資料」として、日米の公文書館などの所蔵文書を共同申請した。

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