東京五輪

全盲ミュージシャンも俳優デビュー 障害者と本格舞台「夏の夜の夢」

ウォルフィー佐野
ウォルフィー佐野

 障害のあるアーティスト支援で成果を上げた、2012年ロンドン五輪の文化プログラム「アンリミテッド」。日本でも2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、「アンリミテッド×ロックカーニバル」を掲げ、さまざまな障害がある俳優が出演するミュージカル「夏の夜の夢」(野崎美子構成・演出)が22日、あうるすぽっと(東京都豊島区)で開幕する。

 せりふのほか、手話やダンス、字幕、生バンド演奏などあらゆる手段でシェークスピアの喜劇を表現する舞台。今作で俳優デビューを果たすのが、米名門バークリー音楽大学でアルトサックスを学び、全盲のミュージシャンとして活躍するウォルフィー佐野(46)。

 「演技だけでなく、衣装のままバンドメンバーとなり、舞台上で虚実を行き来します。視覚障害のある役者は珍しいと思うので、いい挑戦の機会」。出演者23人のうち、聴覚障害や小人症など障害のある俳優は7人。ウォルフィーも点字で台本を覚え、手話も学んで職人役で出演する。

 今作を企画したのは聴覚障害のある女優、大橋ひろえ。「東京パラリンピックは、芸術も注目されるチャンス。障害のある人とない人の壁が取れるきっかけになれば」とさまざまな障害がある人に参加を呼びかけた。目指すは、障害者たちのプロフェッショナルな劇団創設だ。

 26日まで。23、24の両日は音声ガイド、舞台説明会あり(23日は完売)。(電)03・5912・0840。(飯塚友子)

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