映画深層

飛びっきり愛らしい猫たちが伝えるイスタンブールの愛「猫が教えてくれたこと」

 子供のころから映画作家を目指していたわけではない。当時のイスタンブールにはテレビ局が2局しかなく、興味があったのは英BBCのドキュメンタリー番組か日本のアニメーションくらいだったという。

 11歳で家族とともにヨルダンのアンマンに移住し、高校からは米ニューヨークで暮らす。ボストン大学では人類学を専攻したが、卒業後は映画の道に進み、トルコのレハ・エルデム監督のもとで修業を積んだ。

 「10代のころには映画作家になりたいという夢が芽生えたが、私の家族はもうちょっと学問的な勉強をすることを望んでいた。でも大学を卒業するとほぼ同時に映画の道に入っていくことができた。素晴らしい監督について映画を作りながら学ぶことができて、非常に幸運でした」

 やがて、短編映画やミュージックビデオ、テレビCMなどを自ら手がけるようになるが、特にドキュメンタリーを作りたいと思ったことはなかった。だがデジタル技術の進歩とオンライン配信が可能になったことで、ドキュメンタリーの世界にある種の革命が起こったという。

ポジティブに人生を考える

 「誰でも作れるようになって、BBCから高額な予算を出してもらうといったことも必要なくなった。大事なのは、どうすれば見る人に興味を持ってもらうかで、そのためにはドキュメンタリーでもテレビシリーズでも短編でも形態は構わない。例えば異常に長い映画があったら、テレビシリーズにした方がいいかもしれないし、同じことを繰り返しているテレビシリーズを見ると、映画にまとめた方がいいんじゃないかと思ったりする。内容に合ったフォーマットを見つけることが大切ではないかと思います」

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