▼マンデラ氏は、白人との融和政策を進め、わずか1期で政界を引退する。4年前に95歳で亡くなると、世界中から首脳が弔問に訪れ、「歴史上の巨人」とたたえられた。一方のムガベ氏は融和に逆行して、白人の農園を強制収用して黒人に分配した。反対勢力を武力で弾圧して、権力にしがみついてきた。欧米社会では「世界最悪の独裁者」の評価が定着している。
▼そんなジンバブエを支え続けたのが、中国である。ノーベル平和賞に対抗する「孔子平和賞」には、もちろんムガベ氏も選出した。今回の政変については、国軍の司令官が先週北京を訪問して説明しているようだ。
▼つまり後継者が誰であれ、中国政府の眼鏡にかなった人物であることだけは確かである。