阿比留瑠比の極言御免

「東京裁判」史観克服の遺言 日米同盟の深化が必要だからこそ占領の影響を克服せよ

 筆者はつい10月5日にも、篠原氏から同日付の拙記事「前原さん、ありがとう」に関する感想メールをもらっていた。そこには、記事と篠原氏の著書『市民法学の輪郭』とは「同一の分析視角と観じました」と書かれており、その1カ月余り後に不帰の客となるとは想像もできなかった。

自責と隷属化狙う

 振り返るとシンポでの篠原氏の言葉は、東京裁判史観にいまだにとらわれて自由になれない日本人への「遺言」的な意味合いもあったのではないか。

 篠原氏の報告は学者らしく資料の引用元を明示していた。例えば政治学者の日暮吉延氏の著書を引いて、次のように紹介していた。

 「東京裁判はアメリカにとって広義の『安全保障』政策だったというのが私(日暮)の見方である」

 「アメリカ政府は『指導者=被告個人の有罪』を媒介にして、日本人全体に『自責の念』を抱かせようとしたのです」

 あるいは、歴史学者の山本武利氏のこんな言葉も引用していた。

 「アメリカ側は日本占領を戦争の延長と認識していたことを日本人は気付かなかった。日本人には平和な時代を迎えたと誘導しながら、実は冷戦下での日本の隷属化を画策していた」

占領の意味考えて

 現在、米国は日本にとって大切な同盟国であり、日米同盟は、周辺国に恵まれないわが国の存立に欠かせない。今後もその強化・深化を目指すべきだろう。

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