鳥取の妻木晩田遺跡で弥生終末期の方形墳丘墓出土 集落再興期の有力者か

 国史跡の妻木晩田(むきばんだ)遺跡(鳥取県米子市、大山町)で、弥生時代終末期(3世紀前半)に築かれたとみられる方形の墳丘墓1基が出土し、県立むきばんだ史跡公園が発表した。同公園は「一度は衰退した集落が再び拡大に向かう時期の有力者の墓で、貴重な発掘成果だ」と評価している。

 同公園が今年8月から、遺跡の中心部だった松尾頭(まつおがしら)地区の一部約600平方メートルを発掘調査。墳丘(東西7メートル、南北8メートル)の4辺に幅2メートル、深さ30センチの溝が掘られ、4隅が途切れた「方形区画墓」を確認した。溝内の土器から弥生時代終末期に築かれたと推定。土器は祭祀(さいし)で使用されたらしい。

 同遺跡は平成11年、国史跡に指定。弥生時代後期(2世紀後半)に最も栄えたとみられ、見つかった墳丘墓はこれで37基目。松尾頭地区では、これまでに方形の墳丘墓2基が確認されているが、今回見つかったものが最も古い。18日午後1時半から、現地説明会が行われる。

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