滞在10年、資金底つき ネパールの難病少女と家族、在留資格変更を入管に申請 宮城

 難病治療の目的で平成19年にネパールから来日し、仙台市内で高校に通いながら東北大病院で治療を続けているアバ・ドゥワディさん(18)と家族が16日、在留資格の変更を求めて、仙台入国管理局に申請した。アバさんらは現在、就労できない「特定活動」の在留資格で滞在。募金などの支援で10年間、闘病してきたが、資金が底をつきそうで、帰国の危機をはらむ。アバさんらは支援への感謝とともに、日本で治療を続け、家族で暮らすことを望んでいる。

 アバさんは7歳のころ腸捻転を起こし、ネパールで小腸の9割以上、大腸の半分を摘出。栄養分を吸収できず、現地の医師に、さじを投げられた。

 家族らはすがる思いで小腸移植の実績がある東北大病院に連絡、来日と手術に結びついた。

 手術の1年後に退院したアバさんは現在、高校3年生。父親のアルンさん(38)と母親(40)、高校1年生の弟の4人で暮らす。アバさんは普段は学校に通いながら、帰宅後は12時間にわたって静脈に栄養を直接入れる生活で、通院も続けている。

 アバさんらと会見した主治医で東北大大学院の和田基准教授らによると、治療に向けて設立された「アーバちゃん基金」には、これまでに約3千万円が集まった。しかし現在の残額は百万円を切る状態という。

 「特定活動」から「定住者」となれば就労できるため、アルンさんはこれまでに2回、家族全員の在留資格変更を申請したが、認められなかった。アバさんも弟も、ネパール語の読み書きはできない。

 アルンさんは「ネパールでは娘の命がなかった。日本に来て命をいただいたことにありがとうと言いたい」と話した。その上で、「日本で働いて、生活と治療を一緒にやりながら安定した生活をできるようにしたい」と切実に訴えた。

 アバさんは「日本に来て手術ができて、学校に行けることが本当にうれしい。毎日が楽しいです。これからも日本で治しながら生きていきたい」と語った。

 アバさんは進路を決める時期。天ぷらや刺し身などの和食が好きで、夢は「和食を習って、いつかまた誰かに教えたい」。「お世話になった友達や先生に(刺し身の)舟盛りを作りたい」とほほえんだ。

 「アーバちゃん基金」の問い合わせは(電)022・717・7237(東北大学医学部小児外科医局)。