自民党は16日、党憲法改正推進本部(本部長・細田博之元幹事長)の全体会合を国会内で開き、参院選の「合区」解消に向け憲法47条を改正し、各都道府県から1人以上の議員が選出される規定を設ける方向で一致した。全体会合開催は先の衆院選後、初めて。
隣接選挙区を統合する合区は「一票の格差」是正のため、昨年7月の参院選で「鳥取・島根」「徳島・高知」で導入された。
会合では、「選挙に関する事項は法律で定める」と規定している現行47条に、「改選ごとに広域的な地方公共団体(都道府県)の区域から少なくとも1人が選出される」との趣旨の条文を加える推進本部案が示された。出席者からは「合区では地方の声が国政に届きにくい」「県民性が異なる他県同士の合区は合理性を欠く」など、推進本部案を支持する意見が相次いだ。
47条改正に関連し、地方公共団体の組織・運営を法律で定めるとしている92条改正の方向も大筋で了承した。
自民党は来年の通常国会の党改憲案提示に向け、合区に関しては推進本部案を踏まえ、条文案作成に着手する考えだ。党内には平成31年夏の参院選までに憲法を改正し、合区を解消すべきだとの意見が根強い。
ただ、連立を組む公明党は「一票の格差」是正策として全国を11ブロックに分ける大選挙区制の導入を主張。改憲による合区解消について「次期参院選までには無理だ」(幹部)と慎重姿勢を示しており、実現には曲折がありそうだ。