野球三昧

悪天候と戦ったCSファイナルS、「進化」重ねるマツダスタジアムのグラウンド

強風が吹く中、グラウンドのシートを外す広島のグラウンドキーパーら(鳥越瑞絵撮影)
強風が吹く中、グラウンドのシートを外す広島のグラウンドキーパーら(鳥越瑞絵撮影)

 広島の本拠地、マツダスタジアムで行われたクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージは、第1戦が強い雨による中断を経て、五回裏終了時で降雨コールドゲームとなった。第4戦は台風接近の影響もあって2日連続で雨天中止…と、悪天候に悩まされた。

 それでも、雨があがれば前日までの荒天を感じさせない良好なコンディションのグラウンドで試合が行われ、グラウンド整備に携わる人たちの貢献度の高さを感じさせた。

 背景には、2009年に開場した同球場のグラウンドを常に良くしようとしてきた関係者の努力がある。開場時には内野の土の部分は黒土に砂などを混ぜた混合土を使用していたが、一昨年のシーズンオフに天然芝の張り替え工事を行い、その際に地面の下にある排水管を増設。また、内野の土は緑の美しさが引き立つ赤褐色の土(アンツーカー)に変更し、水はけが格段に向上した。

 また今年は、アンツーカー特有のぬかるみやすい弱点を改良しようとテストを重ね、石灰を全体の2割ほど混ぜることで悪天候に強い土に改良した。さらに、雨天の試合の時には、土のぬかるみを解消するために従来は砂を入れていたが、今季から米国で使用されている排水性の高いものに切り替えた。

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