半島有事 起こりうる危機(下)

対馬海峡波高し…「李承晩ライン」相次いだ漁船拿捕

海保の装備強化

 現在の国際情勢で、韓国政府が、かつてのような拿捕行為に及ぶことはないだろう。だが、有事となれば、北朝鮮の軍隊や民兵が、後方撹乱(かくらん)として対馬海峡の漁船を狙う可能性はある。

 九州近海をみると、2001年12月に九州南西海域で、北朝鮮のものとみられる工作船が見つかり、海上保安庁の船と銃撃戦となった。工作船は自爆し、沈没した。

 こうした不審船や工作船への対応として、海保は装備を強化した。速力や搭載武器、防弾性能を向上させたヘリ甲板付高速高機能巡視船(2千トン)など計12隻を、2007年度末までに配備した。

 ただ、日本近海の全域、離島を含む長い海岸線のすべてを警戒することは無理だ。海保は情報収集で、警察・漁協との連携も重視する。

 五島漁協(長崎県五島市)の幹部は「国籍が分からないような不審船を見つけたら通報する。海保からもそのような要請を日常的に受けている」と語った。

 65年前の教訓を無駄にせず、日本国民を守る準備が欠かせない。

 この連載は中村雅和、高瀬真由子、村上智博、大森貴弘が担当しました。