理研が語る

「良いプログラム」で仕事を早く終わらせよう スパコンの処理速度も人間の仕事も同じ…

【理研が語る】「良いプログラム」で仕事を早く終わらせよう スパコンの処理速度も人間の仕事も同じ…
【理研が語る】「良いプログラム」で仕事を早く終わらせよう スパコンの処理速度も人間の仕事も同じ…
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 世界一速いコンピューターをご存じだろうか。スーパーコンピューターの性能ランキングTOP500によると、現在の1位は中国の「神威太湖之光(しんいたいこのひかり)」というコンピューターである。神戸市にある「京」は第5位(2016年6月時点)。世界各国がコンピューターの性能向上にしのぎを削っている。

 コンピューターに処理の手順を与える命令書のことをプログラムと言う。速いコンピューターの実現には、速いプログラムの存在が不可欠だ。同じ計算を行うプログラムでも、その書き方によって処理速度は大きく変わってしまう。また、プログラムには速さだけではなく、計算結果の正確さやメンテナンス性、開発に要するコストの削減なども求められる。

 さらに近年のコンピューターは、複数の計算を同時に行って性能を向上させる並列処理が主流となっており、高性能なプログラムを作るのが難しくなっている。そのため私たち研究者は日々、さまざまな角度からプログラムの性能向上に取り組んでいる。

 私たち人間にとっても、ものごとの手順や計画、すなわちプログラムが大切だ。例えばある仕事を10人で行うときに、誰が、何を、どの順番でやるのかというプログラムが、仕事を早く終わらせる鍵となる。私たちが朝起きてから夜寝るまでの一日の流れも、一種のプログラムといえるかもしれない。そう考えると、コンピューターのプログラムを作るという仕事は、私たち人間にとって、とても身近な作業であると感じる。

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