複雑な編成
武警は総員約68万人で、中央軍事委員会と国務院(内閣)の双方の指導を受ける。2006年に中国が国防白書で公表した総数は66万人だった。武警は3類8種の部隊に分けられる。
まず、主力となるのは内衛武警で、約50万人。武警総部の直接の指揮を受け、各省・自治区・直轄市に計31個総隊が配置されている。また、江沢民政権が決定した解放軍の兵力削減に伴い1997〜2000年、14個歩兵師団約20万人がそのまま武警に編入されて14個の武装機動師団となった。武装機動師団は、平時には法執行任務に就かず訓練のみを行っており、突発事案の際に各地の武警部隊を支援するとされる。
内衛武警には特殊警察部隊(特警)と呼ばれる対ハイジャック、テロ部隊も1999年以降、順次編成されている。北京市総隊が2002年に編成した特勤大隊は07年に「雪豹突撃隊」と改称され、表舞台に登場することが多い。
次に、武警総部と国務院の二重指導を受ける警種部隊として黄金、水電、交通、森林の4部隊が、鉱山やダムなどのインフラ建設・維持を担当。3番目に、国務院公安部の指揮を受ける辺防総隊(国境警備)、消防総隊、警衛部隊(要人警護)の公安現役部隊が存在する。