トランプ氏アジア歴訪

広がる日米同盟、インド太平洋まで地理的範囲を拡大 対中国牽制も念頭

 さらに、冷戦の終結が地理的範囲をアジア太平洋地域に広げた。広範な地域を安定させる米軍のプレゼンスに焦点が当たり、平成8年に橋本龍太郎首相とクリントン米大統領(いずれも当時)が発表した共同宣言では「両国の安全保障面の関係が、アジア太平洋地域において安定的で繁栄した情勢を維持するための基礎」としたのだ。

 ここからさらに地理的範囲を拡大したのが、今月6日の安倍首相とトランプ氏による首脳会談といえる。

 両首脳は会談で、法の支配、航行の自由の定着▽インフラ整備などの連結性向上▽地域国の沿岸警備隊の能力構築支援-の3分野で戦略を具体化することに合意した。インフラ整備は、スリランカなどで中国軍が利用可能な港湾整備が進む動きを牽制(けんせい)する意味もあり、3分野はいずれも安全保障に関わる。

 インド太平洋戦略の策定に携わった政府関係者は「当初から米軍のプレゼンスが重しになることが大前提だった」と語る。米軍はインド洋のディエゴガルシアに空軍基地を持ち、シーレーンの安全に目を光らせる。自衛隊もインド洋で海賊対処や補給支援を行っており、日米がこの地域で協力を強化する姿を描く。

 政府はインド太平洋戦略について「第三国を敵視したものではない」(西村康稔官房副長官)と説明するが、インド洋で軍拡と拠点確保を続ける中国への牽制であることは隠せない。

 政府は日米豪印の4カ国戦略対話にも意欲を示す。インド洋諸国に影響力を持つインドを日米側に取り込み、パワーバランスを有利にする意図もある。

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