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15年以上に及ぶ力士人生で初めての全休明けだった。初日朝。稀勢の里は「準備はできた」と不安を打ち消すように前向きな言葉を口にしていたが、肝心の左はやはり、まだ万全ではないようだ。不戦敗を除けば、過去9戦全勝の玉鷲に不覚を取った。
立ち合いは互いに突っかけ合って、4度目でようやく成立。右から張って左を差したが、ふりほどかれる。左からいなして再度前進しても押し切れず、まわしは引けなかった。組み止められないまま、右のどわ、左押しで反撃され腰が浮く。なすすべなく後退し、土俵を割った。
花道を引き揚げる途中、さがりをたたきつけるように右腕を振りかぶったが、何とかこらえた。八角理事長(元横綱北勝海)は「自分にふがいなかったのだろう」と心境を推し量る。