クローズアップ科学

ピラミッドや原子炉、火山も透視 素粒子観測の意外な使い道

これを言い換えると、岩盤などを通り抜けてきたミュー粒子の数と飛んできた方向が分かれば、内部の物質や空洞の有無を推測できるということだ。

名古屋大の森島邦博特任助教らの研究チームは、エジプトやフランスの研究者らと共同で2015年に始まった調査計画「スキャンピラミッド」に参加。この計画はクフ王のほか、隣接するカフラー王のピラミッドや少し離れたダハシュール地区にある屈折ピラミッド、赤のピラミッドの計4つを対象とし、貴重な古代の遺産であるピラミッドを傷つけずに調べることを目的としている。

ミュー粒子を使った観測は内部の非破壊検査が可能で、まさにうってつけだ。森島さんらはミュー粒子をとらえることができる「原子核乾板」をクフ王のピラミッド中心部にある「女王の間」に設置し、約1100万個ものミュー粒子を分析した。

その結果、女王の間の上にある大回廊よりもさらに上に、長さが30メートル以上で飛行機サイズの巨大空間を発見。巨大空間ではなく複数の部屋が並んでいる可能性もあるが、いずれにしろ大発見だ。

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