主張

がん基本計画 治療と仕事の両立支援を

 今年度から6年間の目標を定めた国の「第3期がん対策推進基本計画」が決まった。柱には予防や検診の充実とともに、「がんとの共生」がうたわれた。

 安心して治療を受け働き続ける。それがあたりまえの社会となるよう理解と支援を広げたい。

 全体目標では「国民が、がんを知り、がんの克服を目指す」と掲げられた。

 がんになるのは国民の2人に1人と多いが、医療の進歩でかつてのような不治の病ではなくなっている。そのため計画では早期発見で治療につなげる重要性が改めて指摘された。

 計画では、いわば地味だが、長年の懸案だった目標が盛り込まれた。がん検診の徹底である。現状は個人差のほか、自治体や職場で差が大きい。

 具体的には30〜40%にとどまっている検診の受診率を50%にする。さらに精密検査の受診率で90%の目標値を掲げた。異常が見つかれば精密検査を受けるはずだが、65〜85%にとどまっている。忙しいことや結果への不安などの理由があろう。治療が遅れては何にもならない。

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