APEC首脳会議

習近平氏、世界第2位の「責任」を強調 米国横目に覇権拡大

 【ダナン=田中靖人】中国の習近平国家主席は10日の演説で、世界第2位の経済力を誇る中国の「責任」を強調。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」は「全てのパートナーに開放されている」と積極的な参加を呼びかけた。トランプ米大統領が各国に露骨とも取れる市場開放を迫ったのを横目に、大国の余裕を見せつけてアジア太平洋地域での覇権拡張を着実に進める姿勢を示した。

 習氏は演説で「経済のグローバル化は後戻りできない潮流だ」と指摘。その中で「新たな挑戦」もあるとし、「開放、包容性、互恵、平衡、公正、ウィンウィンを重視すべきだ」と大局的な視点を示してみせた。また、「中国の対外開放の歩みは止まらない」と中国市場の開放で自由貿易を牽引(けんいん)する意向を示した。

 習氏は「新型国際関係」の構築を続けるとも強調。「グローバルな統治体制の改革と建設に積極的に関わる」と述べた。米国主導の国際秩序を変更する意欲とも受け取れる。

 中国は南シナ海の領有権問題で、東南アジア諸国を分断し、紛争当事国には硬軟両様の懐柔策を取る。中国が影響力を持つアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は9日、ダナンで同市書記と会談し、インフラ整備への投資の意向を表明した。

 日本政府もベトナムやフィリピンへの巡視船供与などの対抗策を取っているが、大規模な経済支援で日本の影響力を排除する姿勢を如実に示した形だ。

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