神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件を受け、政府は10日、再発防止策を話し合う関係閣僚会議を開いた。菅義偉官房長官は「捜査を通じて明らかになった犯行の経緯を関係省庁で共有し、再発防止対策の検討に活用してほしい」と指示した。
関係者によると、今後、再発防止策を盛り込んだ報告書を年内にまとめる。週明けから関係省庁の局長級が集まって検討を進めるという。
会議には、国家公安委員長や厚生労働相、総務相らが出席。白石隆浩容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=が、犯行で会員制交流サイト(SNS)を利用し、被害者を言葉巧みに呼び出していたことを重視し、SNSの犯罪への悪用防止策に焦点が当たった。
今後とりまとめられる報告書には、(1)犯行の経緯や背景(2)自殺に関する不適切なサイトや書き込みへの対策の検証と強化(3)ネットを通じて自殺願望を発言する若者の心のケア対策の充実-などが盛り込まれる。
昨年、19人が犠牲になった相模原市の障害者施設殺傷事件でも関係閣僚会議が開かれ、精神疾患による「措置入院」の見直しなど再発防止策につながった。