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防衛装備庁(装備庁)が防衛省の外局として平成27年10月に発足して2年たった。防衛省内局の装備グループや陸海空3自衛隊の装備取得部門、技術研究本部を統合し、防衛装備移転三原則に基づき装備品輸出を主導する役割を担っているが、装備庁が計画した本格的な装備品輸出は受注競争に敗れるなど失敗が続き、成功例はない。今年7月にはトップの長官が交代したが、新長官は資質が疑問視され、「装備庁ならぬ褒美庁か」と指摘されている。(社会部編集委員 半沢尚久)
タイにレーダー輸出を計画
装備庁が今、装備品の輸出先として重視しているのはタイだ。26年4月の防衛装備移転三原則の閣議決定で装備品輸出に道を開いて以降、東南アジア向けの大型輸出計画は初となる。
輸出を計画しているのは空自の地上防空レーダーFPS-3。三菱電機が製造し、空自は3年から運用を始め、全国7カ所で外国航空機の領空侵犯や領空接近に備え、警戒監視にあたっている。
FPS-3はアンテナを回転させずにさまざまな方向にレーダー波を照射し、多方向からのレーダー波も受信できる高性能のアクティブ・フェーズド・アレイ方式を採用しているのが特徴だ。航空機などの探知・追尾能力に優れている。
タイ空軍のレーダーは老朽化し、タイ側から空自のレーダーを導入できないか打診があった。装備庁はFPS-3に改修を加えた上で輸出したい考えだ。