準絶滅危惧種に指定されているサツキマスの養殖のための採卵が、和歌山県新宮市高田の近畿大水産研究所新宮実験場で始まった。今月中旬までに計約200尾から採卵する。
サツキマスは、「渓流の妖精」ともいわれるアマゴのうち、海に下って育つ「降海型」の魚。熊野川では「ノボリ」ともいわれる。
同実験場では平成23年から、海で飼育した親魚からの採卵により成長の優れた個体生産の研究を続けておりすでに完全養殖に成功。今後の安定生産を目指している。
いけすから運んだ体長約50センチの2年魚の雌から卵を搾り出し、雄の精子をかける作業を実施。1尾からは約2500粒の卵が採れるという。
山本慎一・場長代理は「魚体が安定して1・5キロぐらいになることを目指し、新宮市名物として飲食店に提供していきたい」と話していた。