浪速風

「六甲おろし」広めた中村鋭一さん、国会質問で「ただいま阪神が…」と発言した熱烈虎党、人生の卒業式でも

中村鋭一さん
中村鋭一さん

「六甲おろし」ほど愛唱されるプロ野球の応援歌はない。球団創設の翌昭和11(1936)年、初の公式戦を盛り上げるため「大阪(のちに阪神)タイガースの歌」として発表された。佐藤惣之助作詞の「獣王の意気高らかに」や「鉄腕強打幾千度(いくちたび)び」が時代を感じさせる。

▶歴史は古いが、広めたのはこの人だろう。40年代に朝日放送の朝のラジオ番組で、阪神が勝った翌日は必ず、パーソナリティーの中村鋭一さんが「六甲おろし」を熱唱した。不偏不党であるべきアナウンサーなのに、熱烈なファンを公言してはばからず、それがかえって人気になった。

▶参院議員2期、衆院議員1期を務めたが、国会質問で「ただいま阪神がリードしております」と発言して、「不謹慎だ」と懲罰を受けそうになった。「大阪学」の大谷晃一さんは「六甲おろしは母校の校歌のようなもの」と言った。中村さんの人生の卒業式でも校歌が歌われるに違いない。「蒼天翔(か)ける日輪の…」。