外交・安保取材の現場から

「暴言王」が大感動 ドゥテルテ比大統領 陛下との会見の喜びを語る

 次のチャンスは今年の上半期に訪れかけた。ドゥテルテ氏の2度目の来日日程が6月初旬に組まれた。しかし、このときはフィリピン南部ミンダナオの治安情勢が悪化し、ドゥテルテ氏はその対応のため来日自体を取りやめた。

 それから約5カ月。10月25日、菅義偉官房長官は定例の記者会見で、ドゥテルテ氏が29日から3日間の日程で来日し、安倍晋三首相と首脳会談を行うと発表した。

 しかし、天皇陛下がご会見になるかを記者から問われた菅氏は、意外な答えを口にした。 

 「今回はない、ということです」

 ドゥテルテ氏はまたも願いがかなわず、さぞかし残念だろう-。菅長官の言葉を聞き、そう考えたのだが、翌26日、一転して宮内庁が天皇、皇后両陛下がドゥテルテ氏とパートナーのアバンセーニャさんと会見されると発表した。

 外務省の担当者に聞いても「官房長官の記者会見の時点ではまだ決まっていなかったということで…」という回答で、1日の間に政府内で具体的にどのような調整がされたのかは不明だ。しかし、いずれにせよ、ドゥテルテ氏が待ち焦がれた機会が訪れた。

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