老舗あり

福島県郡山市 駅弁「福豆屋」 お袋の味 非日常を演出 大人気の「海苔のりべん」

 幕の内の三種の神器といわれる焼きシャケ、かまぼこ、卵1個分の手焼き卵焼きと、のりをサンドした多めのご飯と煮物。「見た目が地味、パッケージも…。肉類主流になぜ逆行するのかと、社内は大反対だった」が、震災前年の22年、販売を始めた。

 「全く売れませんでした」と振り返る。マイナーチェンジを繰り返し、細々と作り続け、2年前、テレビで取り上げられると、一気に人気商品に躍り出た。

 「海苔-」は作るのに手間がかかるので、1日の生産は400食が限度。「今は手いっぱいですが、これからも年間2種類ぐらいは新製品を出していきたい」と文紀さん。研究熱心のDNAを受け継ぐ3代目が、これからどんな駅弁を生み出すか、楽しみだ。

 ちなみに、「海苔-」のパッケージは、昭和の漫画によく登場する酔っ払いの手土産、「すし折り」がイメージと、文紀さんは、いたずらっぽく笑った。

 あ、ここに「非日常」が隠れていた。

(福島支局 竹中岳彦、写真も)