処理場で実際に金を抽出しているわけではなく、飛灰や残渣のまま回収業者に売却。初年度の平成20(2008)年度は約4千万円を売り上げた。売却益は下水道の維持管理に活用している。
長野県諏訪湖流域下水道事務所によると、汚泥から金が採れる理由ははっきりしないのだが、周辺の温泉水に金が含まれていて下水に混じるのか、電子基板に金メッキを施す精密機械工場から排水に流れ込んでいるか、どちらかだとみられる。
ただ、ここ数年は含有量が減ってきており、昨年度は売り上げも約800万円に減少。同事務所の担当者は産経新聞の取材にこう話した。
「排出源とみられる方々が、気をつけるようになったのではないか。なにせ私たちは『下水から金が採れる』と公言しているわけなので…」
この錬金術に関しては、どうも本物のようだ。