鑑賞眼

圧倒する総合力で魅了 劇団四季「ソング&ダンス 65」

四季のハイレベルの歌と踊りをとことん堪能できる舞台(荒井健撮影)
四季のハイレベルの歌と踊りをとことん堪能できる舞台(荒井健撮影)

四季が平成11年から続ける「ソング&ダンス」シリーズの最新作。レパートリーを中心に、えりすぐりの歌と踊りを新演出するショーだが、今作は完成度の高さで随一と感じた。劇団ならではの練り上げた構成、歌と踊りの質の高さに加え、最大の収穫は四季にこんなにも多彩なクリエーターが存在していたのかという驚きがあったことだ。

過去の同シリーズでは、加藤敬二が構成・振り付け・演出を担ったが、今作では脇坂真人、松島勇気、永野亮比己も振り付けに初参加。1幕冒頭の永野振り付けによるコンテンポラリーの洗練された動きが新鮮で、フラメンコ、ジャズ、バレエ、タップと場面ごとに毛色の違う踊りが洪水のように連続し、楽しい。

2部構成の舞台は、来年の創立65周年を控え、1幕で劇団の歩みをたどる。舞台背後のパネルに代表作のポスターが投影され、「ウェストサイド物語」「ライオンキング」など名ナンバーのアレンジが楽しめる。

2幕は「アラジン」などディズニー作品と、「オペラ座の怪人」ほかアンドリュー・ロイド=ウェバー作品が軸。小ぶりな自由劇場ゆえ、俳優の筋肉の躍動や、空間を震わす声の響きに圧倒される。歌は主役級メンバーが複数出演するぜいたくさだが、特に江畑晶慧(まさえ)のソウルフルな歌声は圧巻で、「メモリー(キャッツ)」など聞きほれた。

大スターはいないが、圧倒的総合力で魅了する舞台は四季らしく、新たな才能の現出に劇団の未来を感じた。26日まで、東京・浜松町の自由劇場。(飯塚友子)

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