デビュー

「イップス」に苦しんだ経験生かした指導者に…プロ野球投手から京大コーチへ 近田怜王(ちかだ・れお)さん(27)

 --どんな指導に重点を

 ずっとバッテリーを見ています。投手一人で打者を抑えるのではなく、捕手と一緒に抑えることが前提だと伝えています。投手には、どうすれば配球しやすくなるかを含めた捕手への気の配り方、捕手には投手目線でどうすれば投手がもっと投げやすくなるか。まだ伝えたいことの2、3割しか伝えられていないですが、さすが京大生だと思うのは吸収が早いこと。「これはいい、これはだめ」と明確な基準をはっきり示すとすぐに理解してくれる。コーチに就任するときは「弱いチームだから物足りない」と言われたりしたけど、逆にやりがいがあります。皆、一生懸命聞いてきてくれるので。

 《関西学生野球連盟に所属する同部は昨年、春秋リーグとも全敗で最下位。今春は2勝、秋は3勝を挙げた》

 --部員の成長を感じることは

 春に2勝したことで、特に4年生は「これができれば勝てる」という手応えを感じていたと思います。主戦の藤原風太投手(2年)はこういう場面では四球を出してもいいとか、右打者をのけぞらせるぐらいの球を内角に投げるとか、3、4点しか伝えていないのにがらっと投球が変わった。チーム全体では一つのバントの失敗で負けることもあり、一球に対する詰めの意識はまだ足りないですが、選手自身がプレーの善しあしを考えられるようになったと実感します。

 《自身の野球人生は決して順風満帆ではない。高校2年夏の甲子園で試合中に熱中症で倒れて以降、現役引退まで心理的な要因でプレーができなくなる運動障害「イップス」と闘った》