中小企業の廃業に歯止めを M&Aで事業承継を後押し、政府は税優遇の拡大検討、自治体や金融機関は独自の支援強化

 後継者がいない関西の中小企業にとって、事業存続の有力な手段であるM&A(企業の合併・買収)の情報が不足している状況が、近畿経済産業局による企業への聞き取り調査で浮かび上がった。全国約381万の中小企業・小規模事業者のうち、関西は約18%を占めるほど大きな存在。中小企業の事業存続は雇用継続、地域経済の活力維持などの面で重要なため、廃業に歯止めをかけることが大きな課題となっている。

 調査は、事業を譲渡した側の7社の経営者、買収した側の4社の経営者、そしてM&A仲介業者や金融機関など9社にヒアリングした。

 譲渡した側の経営者らからは、「M&Aの言葉は知っていたが、遠い世界のものと思っていた」(土木建築用品販売業)、「同じ地域の同業者に買収されるのは抵抗感がある」(印刷・製本業)といった声が聞かれた。M&Aが経営の選択肢としてあまり検討されていないことがうかがえる。一方、M&A仲介業者は「買い手はいるが、売り手が不足している」と指摘した。