妻刺殺事件から20年、犯罪被害者の会創設の老弁護士の戦い 「自分の身代わり」消えぬ思い

 岡村さんは「過去を反省しないまま『犯罪被害者を支援する』と決議されても信用できない」と話した。

被害者を「使い捨て」

 9年10月、東京都内の自宅に帰った岡村さんは、玄関で倒れている真苗さんを見つけた。約1週間後に逮捕された男は、岡村さんが窓口となって紛争処理していた山一証券を通じた株取引で損を出していた男。面識のない岡村さんを勝手に恨んだ末の犯行だった。

 翌年開かれた男の刑事裁判で岡村さんは、被害者に何の地位も権利もないことを知り、愕然(がくぜん)とした。男が「被害者の方から飛びかかってきた」とでたらめな内容の供述をしても、ただ傍聴席から見ているしかなかった。

 「当時は、警察の捜査や刑事裁判のために被害者が『使い捨て』にされている状況でした」

 岡村さんは、ほかの犯罪被害者4人と、あすの会を設立。50万人を超える署名を提出するなど活動を続けた結果、犯罪被害者等基本法が成立し、被害者参加制度が導入された。

「憤る人減った。悪いことではない」

 あすの会の代表幹事は23年に退任したが、その後も岡村さんは最前線に立ち続ける。昨年秋に福井県で開かれた人権擁護大会でも、死刑廃止宣言の採択に反対する討論を行った。

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