柏崎市は1日、同市山本の「西岩野遺跡」から弥生時代後期(2〜3世紀前半)に建てられたとみられる大型の掘立柱(ほったてばしら)建物跡が見つかったと発表した。同様の遺構は滋賀県の琵琶湖周辺を中心に多数確認されているものの、県内での発見は初めて。国内で最北となり、専門家は西日本の文化の影響を示す貴重な事例だとしている。
調査は県道の拡幅・改良工事に伴い、市教育委員会文化財事務所が7月中旬から進めていた。遺構のうち建物を支えた7基の柱穴は直径が1〜1・5メートルあり、深さは70〜90センチ。建物の床面積は約40平方メートルと推定されるという。
市教委によると、建物は豊穣(ほうじょう)を祈る神殿などだった可能性があり、祖霊祭祀(さいし)のための施設を支える「独立棟持柱(むなもちばしら)」も伴っているとみられるという。出土した土器の形式から建造時期は弥生時代後期と判断された。
発掘調査に立ち会った新潟大文学部の橋本博文教授は「柱穴は通常の丸い形とは異なり、格が上とされる長方形で、かなり珍しい。西日本の文化が当時入っていたことを示している」と指摘している。
さらに弥生時代の方形周溝墓が発見され、勾玉(まがたま)3点、管玉9点、ガラス小玉12点の副葬品も出土した。幅2・7メートル、深さ1・2メートルの環濠なども見つかった。
桜井雅浩市長は記者会見で「個人的にも興味があり発見はうれしい。さらに分析し、活用や保管について検討を進める」と話した。
調査は今月中旬に終了する予定。一般向けの説明会が3日午前10時と午後1時からの2回に分け、現地で開かれる。