秋の褒章

脚本家・演出家の三谷幸喜さん「ほんのちょっと生きる勇気がわいてくる。そんな芝居を作っていきたい」

 「30代前半、連続ドラマ『王様のレストラン』を書いていた頃、本当に書けなくて、明日の朝までに書けないと収録できずオンエアできないところまで切羽詰まって…。一晩悩んでも書けず、朝になった。どう責任を取ろう。これはもう死ぬしかないか。そこまで追い詰められたことがありました」

 「そこでたまたまつけたテレビで、英国のコメディー番組『Mr.ビーン』をやっていた。こんなに落ち込んでいるのに、その時笑ってしまった。笑っているうちに気が楽になって、前向きな気持ちになれました」

 「本当に運が良かった。そのとき『Mr.ビーン』をやっていたから立ち直れたわけで、シリアスな映画なんかをやっていたら、死んでいた。喜劇は人を励ますもの、元気づけるものだと改めて思って、この世界に進んで良かった、この道を行こうと誓いました」

 --インスピレーションはどんな時に降りてくる?

 「楽しんで脚本を書いているように思われがちですが、絞り出すような感じで必死になって考えています。でも悩んでいるうちは思いつかなくて。そんな時はシャワーを浴びます。浴びた後、体を拭いているうちに一瞬、頭が空白になる時、アイデアが入ってくる。行き詰まっている時は1日5、6回シャワーを浴びるので、清潔感あふれる状態になっています」

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