■三里塚闘争など資料500点展示
ベトナム反戦運動や三里塚闘争、水俣病闘争など、1960年代の社会運動をテーマに資料などを集めた企画展が、佐倉市の国立歴史民俗博物館で開かれている。闘争で使われた物や資料など約500点を展示。半世紀前の社会運動の意味を振り返る。
企画展の名称は「『1968年』-無数の問いの噴出の時代」。戦後の平和と民主主義、高度経済成長の中で、社会に生じたひずみに直面して噴出した「問い」に光を当て、当時の運動の意味を改めて考え直すのが狙い。
展示は「平和と民主主義」・経済成長への問い▽大学という場からの問い・全共闘運動の展開-の2部構成。
第1部では、ベトナム戦争が当時の社会運動の基盤となり、「ベトナムに平和を!市民連合」(通称ベ平連)がユニークな運動形態で市民運動の裾野を広げた様子を振り返る。このほか、長期闘争となった三里塚闘争と熊本水俣病闘争を、運動に使われたはちまきなどの資料や支援者の活動を紹介する。
第2部では、一般の学生が立ち上がり、大学改革を要求した動きに焦点を当てる。特に、規模や期間、影響力のあった日本大と東京大の全共闘運動を中心に紹介。日大全共闘ヘルメットや、機動隊導入に対する抗議の声など、当時の息吹をリアルに浮かびあがらせている。
同館の荒川章二教授は「当時は一人一人の市民が個人として考えて動く時代。なぜ彼らは動いたか考えてもらえれば」と話している。
一般830円など。12月10日まで。会期中は月曜日が休館。【問】(電)03・5777・8600。