安倍晋三首相とフィリピンのドゥテルテ大統領は30日午後、首相官邸で首脳会談後、共同記者発表を行った。安倍晋三首相は「海洋国家であり、基本的価値を共有する両国が北朝鮮の核・ミサイル問題などの地域の共通課題に協力して対応していく」と強調した。詳細は以下の通り。
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【安倍晋三首相】
本日は私の大切な友人であるドゥテルテ大統領を再び総理官邸にお迎えできることを大変光栄に思います。
1月にフィリピンを訪問した際には、地元・ダバオの自宅にお招きいただき、親交を深めることができました。ドゥテルテ大統領とは本日でこの1年間で4回目の首脳会談となり、親しい友人同士、胸襟を開いてさまざまな問題に関し、議論しました。
ミンダナオ・マラウイ市の解放宣言についてドゥテルテ大統領の指導力に心から敬意を表します。今後もテロとの戦い、そしてミンダナオの安定と発展に向けたドゥテルテ大統領の取り組みを全面的に支持します。
ドゥテルテ大統領は50周年を迎えるASEANの議長を務めておられます。ASEANが一体性を強化し、自由で開かれた共同体として発展することを日本は全面的に支持します。1週間後のASEAN関連首脳会議が成功されるよう、議長を努めるドゥテルテ大統領を最大限支援してまいります。
本日の会談では、1月のフィリピン訪問の際に表明した今後5年間で1兆円規模の官民貢献策を具体化した共同声明を発表しました。
マニラ首都圏の地下鉄及び南北通勤鉄道の需要整備、道路整備を含む地方都市開発及び防災面の質の高いインフラ協力を迅速に進めます。
マラウイ市の復旧・復興を最大限支援します。また日本のミンダナオの支援を強化し、新たな自主政府設立に向けたプロセスの進展に応えていきます。
フィリピンの法と知識を尊重する社会作りを支援するため、違法薬物対策に関する中長期行動計画を着実に実施します。