荒金雅子の「多様性の未来」(3)

「無意識の偏見」にアンテナを

 ダイバーシティ(多様性)の推進に長年取り組んできた企業の間で最近最もホットなテーマ。それが「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」だ。何をやっても成果につながらないのは、管理職や組織の中に根強くある固定観念や先入観、偏見などが影響を与えているのでは? ということに気づいた企業が研修やトレーニングに力を入れ始めている。

 アンコンシャス・バイアスとは、自分自身では気づいていない、ものの見方や思考の偏りをいう。バイアス(偏見)は誰もが持っているものであり、大量の情報から素早く判断し行動を起こすことをサポートする機能もある。考える以前に瞬時にかつ無意識に起こる、知的連想プロセスの一つで「高速思考」ともいえ、一概に悪いものとはいえない。

 問題なのは、無意識の関連づけが相手にネガティブに作用することにある。例えば、「出張や残業のできない人に大事な仕事は任せられない」「女性に管理職は無理」「高齢者は仕事が遅い」などと考えていたり、若手の意見を途中で遮ったり、軽く扱ったり。本当にそうだろうか。他の見方はないだろうか。自分の中の思いこみや決めつけは、相手に伝わるもの。自覚がなくとも、結果として相手の自由な発言や活躍を阻害する要因にもなっているのだ。

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